2000年12月04日

スーパーコンピュータ

私は仕事柄、スーパーコンピュータをよく使用している。スーパーコンピュータと聞くと、なんだか凄そうに感じるかもしれないが、普段使用しているときには、Windowsのコマンドプロンプトのような画面から、プログラムのソースを書いたり、計算を実行したりするだけなので、派手さはほとんどない。確かに、計算速度はかなりのもだが、最近のワークステーションなどは、複数のCPUを積んでいるのも多いので、スーパーコンピュータでも多人数でシェアしてしまうと、マルチプロセッサのワークステーション並みに性能が落ちることもしばしばである。それでも、小人数で使用するとき、スーパーコンピュータは魅力的だ。普通のコンピュータでは、数ヶ月、数年を要する計算が、数日で終わってしまうと言えば、それがわかってもらえるだろうか。

ところで、私が所属している研究室では、MDM(Molecular Dynamics Machine)と呼ぶ、分子動力学計算専門の、非常に速い実行速度を有する専用コンピュータを開発している。そして、私はそのMDMを利用したプログラムを書いたり、研究のための計算を行ったりしているのである。このMDMシステムは、今年度末に完成予定で、75Tflops(1Tflops=1000Gflops)の性能を誇り、理論的には100Tflopsまでは出すことが可能である。先日行われたSupercomputing2000(SC2000)では、実用計算で世界最高速を出したグループに贈られるゴードン・ベル賞を受賞した。

このように、目的を絞ることで、より速く、よりコストがかからない専用のスーパーコンピュータを開発できる。そして、この専用コンピュータは特定の分野ごとで、例えばMDMなら分子動力学シミュレーションの分野で、目覚しい活躍をすることだろう。その時、スーパーコンピュータといえば、専用コンピュータのことを指しているかもしれない。

Posted by Foota at 2000年12月04日 00:00
Comments