2000年09月30日

シドニーオリンピックの影で

今月の15日(サッカー予選を入れたら13日)から始まったシドニーオリンピックも残すところ僅かとなった。今回のオリンピックでは、日本の選手たちもかなり健闘したのではないかと思う。

オリンピックの中で、日本が得意とする競技といえば、柔道が真っ先に挙がるだろう。そして、3度目の正直を見事に果たした田村亮子選手を筆頭に、日本の柔道陣は全部で4つの金メダルを取ったわけだが、柔道競技最終日の100kg超級で問題が起こった。フランスのドイエ選手に篠原信一選手が「内また透かし」を掛けて一本を取ったのだが、これに対してニュージーランド人の審判がドイエ選手の有効を宣言したのである。明らかに誤審であり、日本人なら、この試合を観戦して、ほとんどの人が納得できなかったのではないかと思う。私もその一人だ。

まあ、これについて、ここでいくら騒いでも仕方ないし、他のたくさんのオリンピック関連サイトでこれでもかと言わんばかりに騒いでいるので、もっと議論をしたい方はそちらにでも行って頂きたい。ここでは、そのたくさんのサイト、特に海外のサイトでの反応について書かせてもらう。

今回の誤審で一番被害を被った国は日本であるから、日本の中で騒ぐのは当たり前である。多くのニュースや新聞でもかなりの時間や紙面を割いてこの問題を取り上げた。また、ウェブ上の掲示板でも審判(そして一部でドイエ選手)に対して非難一色であった。

では、海外ではどのような反応であったのか。まず、CNNでスポーツ分野を扱っているSports Illustratedにアクセスしてみた。まず、日本の新聞がこぞって、審判の誤審であることを大々的に取り上げていると報じていた。一方、フランスの柔道協会が「柔道は既に日本に属しておらず、100kg超級の審判の判定は正しいものである」とコメントしている、という記事も載せていた。他には、ある日本人が「ニュージーランドは北朝鮮よりも憎むべき国になった」と述べている、という記事などもあった。

このほかにも、CNN Sports Illustratedでは、それぞれの競技ごとに掲示板も用意しており、読者が自由に書き込めるようになっているのだが、ここにもいろいろと面白いことが書かれてあった。ある日本人がこの掲示板に、今回の判定は誤審であり、これが認められてしまえばオリンピックも柔道もスポイルすることになると述べていたのだが、それに対して、(おそらく外国人も含む)他の人たちも概ね同意していた。しかし、(おそらくフランス人の)ドイエ選手のファンは、それに対して反論しており、とにかくドイエ選手はすばらしいと述べていた。ここの掲示板以外には、世界柔道連盟の掲示板でも今回の件についてたくさんの書き込みがあった。

このように、日本のメディアだけでは見えてこない部分が、日本以外のメディアを通せば見えてくる。これは、大変面白いことだと思う。

Posted by Foota at 2000年09月30日 00:00
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