完全学校週五日制を謳った文部科学省の「ゆとり教育」が実施された。賛否両論あるが、どこが良くてどこが悪いのかはっきりしない。実際のところどうなのであろうか。
この週五日制、「ゆとり」の中で「特色ある教育」を実施して、自ら考える力をつけて「生きる力」をはぐくむために必要らしい。もし、私が学生の頃に実施していたら遊ぶ時間が増えて喜んだかもなぁ、とは思うが、それで「生きる力」が得られるとは思えない。この制度では、週五日間の授業にたくさんのことを詰め込むか、学ぶことが減るかのどちらかではないだろうか。「ゆとり」なら後者の学ぶことが減ることになるのだろう。
また、ゆとり教育と聞いて、まず槍玉に挙げるのが円周率が3になったことであろう。学ぶことが減るならそうしないとやってられないからだろうか? しかし、文部科学省の言い分は少し違うみたいだ。授業では円周率は3.14として教えるが、およその面積を見積もるなど目的に応じて3を使っても良いとするらしい。概算としてならそれもありか。だが、目的が円の面積なら3.14を使うことになるのか。他にも、台形の面積の公式を教えなくなることについては、「正方形、長方形、三角形、平行四辺形の面積の求め方」から、台形の面積を導く方法を教えるらしい。ただの公式の暗記ではなく、実際に自分が工夫することにより面積を導くことが重要であるといっているのだ。
ふむふむ、それは確かに大事なことだろう。だが待てよ、本当にそう教えるつもりなら、今までよりも授業数を増やさないとやれないではないか。もしくは、教員の質を非常に高くするかである。しかし、今の制度で劇的に教員のレベルを上げるすべは見当たらない。
結局、週二日の休みに、親である我々が教育をすることになるのだろうなと、9ヶ月の娘を眺めながら考えている。
※ ゆとり教育を考えるにあたって、文部科学省のウェブサイトにある、学習指導要領の新しい学習指導要領について、および、Mainichi INTERACTIVE 時代の風に掲載されている榊原英資氏の学力低下招く「ゆとり」教育を参考にさせていただいた。
Posted by Foota at 2002年04月20日 00:00