第1章 第2節 そして"Hello, world!"


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それではまず、下のプログラムを見てください。これは画面に"Hello, world!"と表示するプログラムです。

List 1.1 画面に"Hello, world!"と表示するプログラム

/* "Hello, world!" program */

using System;

class Hello
{
  static void Main() {
    Console.WriteLine("Hello, world!");  // print "Hello, world!"
  }
}


Hello, world!

では、最初から見ていきましょう。

まず、最初の行で、using System;とありますが、これは.NETクラスライブラリが提供するSystemという名前空間をこれ以降で使用することを宣言しています。Systemの中にはたくさんのクラスがあり、その中の一つがConsoleクラスなのです。そして、そのConsoleクラスの中にある、WriteLineメソッドにより、画面に指定した文字列を表示することができるのです。

次に、class Helloと書かれていますが、これはHelloという名前のクラスをこれから定義するということです。そして、このクラスの中にstatic void Main()とあります。これがHelloクラスのMainメソッドになります。そして、このMainメソッドが一番最初にプログラム中から呼ばれます。このMainメソッドの中に先ほど出てきたConsoleクラスのWriteLineメソッドをConsole.WriteLine("Hello, world!");のように呼び出して、画面に"Hello, world!"の文字列を表示させているのです。

static修飾子

List 1.1で出てきたMainメソッドにはstaticという修飾子が使われています。これは、クラスのメソッドであることを表しています。え? そんなの当たり前でしょ、と思われるかもしれませんが、static修飾子の付くクラスのメソッドと付かないクラスのインスタンスのメソッドは異なるものなのです。クラスのインスタンスについての詳しい説明は、以降の節で扱いますが、簡単に違いを説明すると、クラスのインスタンスはいくつも作ることができますが、クラス自体は一つしか存在しません。そして、static修飾子が付いたメソッドは、常に一つしか存在しないということになるのです。

ところで、このプログラムの中では、/* ... */// ...という二つの形式のコメントが入っています。/**/に囲まれた間および//から改行までの間に入る文はコメントとして扱われます。コメントを上手に使って、わかりやすいプログラムを書くように心がけましょう。

どうです? 簡単でしょう(^-^)。次の節から、C#についてもっと詳しく述べていきます。


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